2008年3月28日金曜日

「とりあえずタナゴ竿」を作りました

 庭先に布袋竹が生えているのを発見し、もっと良く藪を探してみると手頃な篠竹(丸節竹)も見つかりました。孟宗竹だけでなく、女竹、矢竹、丸節竹、布袋竹とそろっていることが分かりました。

 そこで、年末年始の釣り休みを利用して、竹のタナゴ竿を製作する事にしました。

 私の親父は鮎の友釣り竿をいくつも作って鮎釣りをしていたのを小学校の頃見ていましたので、私も篠竹を利用してフナ釣り竿でも作りたいというイメージを持っていました。

 そこで、作ったのが「とりあえずタナゴ竿」。
 全工程1日半という超インスタントな竿作りですが、ご参考までにご紹介します。

 私の親父は、竿はもちろん、タモ網を編み、生け簀を作り、鈎と糸以外はすべて手作りで釣りをやりました。私も、小学1年か2年で、風呂の薪を削って唐辛子浮子を作ったものです。塗装材料はなくて、絵の具で着色して、ローソクを垂らした後お風呂のかまどであぶって染みこませ、防水。

 あの頃から半世紀近くたって、昔のイメージの竿作りを実現しました。といっても、イージーな「とりあえずタナゴ竿」なのですが。

 篠竹はトップに使えそうなものが生えていたので切り取って枝を落としてみましたが、残念なことに先端途中で主幹が折れて枝が伸びているものでした。
 仕方がありませんので、トップはやはりグラスファイバーを使うことにしました。茅ウキケースの中に、グラスのトップがあったのでそれを例によって削り込みました。
 先端径0.5ミリ、元径1ミリ。実釣をしながら、調子を見て削り込みます。

 穂持ちは篠竹1メートルありますので、これに握りをつけて終わりにしても良かったのですが、自転車で釣りに行く(3分)のには長すぎると思い、2分割しました。当然ですが印籠継ぎとなります。

 穂持ち先端外径2ミリ、元径2.7ミリ、元竿先端外径2.7ミリ、元径3ミリで、ほとんどテーパーがありません。
 ↓下写真、上の3本で4尺のタナゴ竿。未加工の丸節竹と布袋竹2つは参考まで。



 トップの元径から、穂持ちの切る部分を決定して先端をカットし、長さをだいたいそろえました。仕舞寸法42センチ。尺貫法世代ではないので、伝統的な長さにはこだわりません。

 油抜きをしただけのまだ青さの残る竹でしたので、いくつかの失敗をしました。

・節抜き…竹が柔らかいうちに抜いた方が楽だと思い、ステンレス線でキリを作ってやりました。
 が、生竹の方がやりにくく、ステンレス線が食いつかれて重くなり、細い青竹がねじれそうになりました。
…ある程度水分を抜いてからやらないと、サラサラと削りかすが出ませんね。

・しわの発生…節を抜いてから火入れをしたところ、水分が急激に抜けて縮んだために「しなび皺」が出てしまいました。ちょっと、みっともない感じです。

・継ぎ口の径が狭くなり、再度ドリルをすることになりました。これは、切り口のわれを防ぐために巻いた糸によって、柔らかくなった竹が締め上げられたためです。

 以上のことは竹を十分乾燥させてからやれば防げるのですが、なんせ切り出してその日のうちに加工をしてしまうという省略工法ですので…写真でお分かりのように、火入れの焼きムラがあってキリンの縞模様のようになっています。

 初めは腰がなくて重い感じがした丸節竹ですが、火入れが進むと次第に締まってきて、軽く、張りが出てきました。ヘラブナ釣りにはどうか分かりませんが、タナゴには十分すぎる張りを持っています。

 さて節抜きには1ミリと1.5ミリのステンレス線を使いました。これは海釣り用テンビンを作った残りで、これの先端を金床でたたいて写真のような刃をつけました。
 写真は拡大しています。かなりいい加減な作りですが、実用には差し障りありません。



 丸節竹は、枝の痕が凹んで、反対側がかなりふくらんでいますので、そのまま節抜きをすると凹んだ部分を突き破るおそれがあります。矢竹のように、中心が真っ直ぐ通ってはいません。

 左上:丸節竹
 左下:矢竹
 芯の通り方が違う
 
 ですので、同じ篠竹を使って凹んだ部分に合わせて埋木をして、瞬間接着剤で貼り合わせ絹糸を巻いて補強しました。その上で、ドリルドライバーを使って、ゆっくりと節抜きをしました。

 印籠継ぎの継ぎ芯には、グラスファイバーのトップを使いました。子供が折ってしまった端材がありましたので。抜けにくいように、芯の部分に粗めの紙ヤスリを当て、ドリルドライバーで螺旋状の削り痕をつけました。継ぐ時は右回し、抜く時は左回しという感じですね。

 最後に取り外しのできる握りをつけました。これも、切り出したばかりの竹の根本で、布袋竹の上根から生えた細い竹かと思います。節間が詰まっていないもので何の変哲もない竹です。これもバランス取りを考えてつけています。段差のあるところを握ります。

 市販の小物竿の握りは竿との太さのバランスがとれていないと思います。細い竿は細いところを持った方が、神経も細やかになり繊細な竿の特性が生かせます。

 ヘラ釣りのように握りを鷲づかみにして腕全体を上げる合わせなら良いかもしれませんが、タナゴの合わせは手首を返すだけ。握りはカウンターバランスを取ることが主目的で、握るのは竿の部分がよいと思います。

 太い握りを持ったのでは、神経もおおざっぱになるので、小さく鋭い合わせを旨とする私のタナゴ釣りには合いません。

 ようやく基本的な切り組が完成し、継いでみて火入れを繰り返しました。なにぶん、穂持ちは青さの残る竹ですので、使いながら矯め直しを繰り返して固めていくという方針で、塗装はしません。
 塗装する代わりに、アーマーオールという浸透性保護つや出し剤を塗り、乾燥させました。湿気防止には効果がありますし、火入れをしても融けたりしません。



 さてこの篠竹製タナゴ竿、空で振ってみるとけっこうシャキッとしているように思っていましたが、写真に撮ってみるとけっこう自重でしなっていることに気づきました。後ろから目線を通して見ているので、しなりが誇張されて見えますが、早合わせをしてもきちんと追随してくれます。

 そして驚いたのがこの写真です。負荷はティッシュペーパー一枚、がまかつ極小の鈎とハリスで釣っています。



 ティッシュ一枚は何グラムあるのでしょうか?

 5センチのタナゴを釣ったら、ワーワー、キャーキャー状態ですかね。まだ一度も、これでタナゴを釣っていないのです。釣り場が壊滅状態なもので…

 下手に、霞ヶ浦などに行って、大きな外道が掛かってしまったら…怖いのだ!
 裏庭のプランター池に飼っている豆バラで試してみようと思う。

 おっと、その前にオオタナゴをバケツに移しておかねばいけないかも…
 この写真はティッシュペーパー1枚をつり下げた状態です。

 制作直後のもので、若干腰が弱いように思いましたが、タナゴを釣り上げて満月のようにしなったならおもしろいだろうと考えました。
 (その後、一冬超して、ストーブの暖気に乾燥しきった竿は、遙かにシャキッとなっていました。)

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